講座紹介
みなさんは学校の「国語」で何を学びましたか。「漢字」、「読解」、「作文」などいろいろ思い浮かぶと思います。しかし12年間の初等・中等教育(小学校1年生から高校3年生まで)を終えて、大学で学びあるいは社会で仕事をする上で必要とされる日本語運用能力(コミュニケーションスキル)は、十分に身についているのでしょうか。40年以上も教育界に身を置いてきた私からすると、とても十分とは言えないというのが正直なところです。
大学生や社会人として必要なコミュニケーションスキルは、大きく4つにわけることができます。つまりインプットの力である「読む」と「聴く」、アウトプットの力である「書く」と「話す」です。たとえば1つ目の「読む」ですが、この20年ほどの間で、大学生の読書量は著しく低下しています。それは本を速く読む技術(速読)も、深く読む技術(精読)も学校で十分に身についていないからに他ありません。次の「聴く」力ですが、これは授業内容や相手を理解するために必須の力です。しかし、本講座でお伝えする「聴く技術」については、学校ではほとんど教えていません。3つめの「書く」力ですが、小学校では書いていた作文(論理的ではなく思うがままの)も、学年が進むにつれて「書く」ということはどんどん少なくなっていきます。それは昨年度まで行われていた大学入試センター試験など多くの試験が、採点の効率化を図るために「マークシート方式」を長く採用してきたからなのです。最後の「話す」力ですが、これも学校教育では十分に指導されているとは言えません。多くの方は、「何を話す」かという内容に意識がいきがちですが、人と人とのコミュニケーションでは「どう話す」か(身振り、手振り、表情、声、目配り、距離、立ち位置)の技術を身につける必要があるのです。
日本人だから日本語は使えるに決まっているというのは誤りです。私はこれまで新入生教育で、大学生として学びを深めるための日本語運用能力を培う授業を、1年間90分×30コマ行ってきました。本講座では、そのエッセンスをお伝えします。
講座内容
第1回 あなたは学校の“国語”で何を学びましたか 90分
第2回 問答ゲームで「話す力」と「聴く力」を磨こう 90分
第3回 「再話と物語の訓練」 ストーリーテラーになろう 90分
第4回 スピードリーディング 〜1冊を1時間で読む技術〜 90分
第5回 読書ノートで知識や情報を整理し共有する 90分
第6回 クリティカルリーディング 90分
第7回 “何”を言うかよりも“どう”言うか 声を育てる 90分
第8回 パブリックスピーキングの技術 90分
スケジュール
【1日目】
9:00〜10:30 第1回
10:45〜12:15 第2回
13:15〜14:45 第3回
15:00〜16:30 第4回
16:45〜17:30 質疑応答
【2日目】
9:00〜10:30 第5回
10:45〜12:15 第6回
13:15〜14:45 第7回
15:00〜16:30 第8回
16:45〜17:30 質疑応答
※開催日は、講座の開催スケジュールをご確認ください。
受講費用
お一人66,000円
受講申し込みや受講前のご相談はお問い合わせよりお気軽にご連絡ください。